2025年、ドナルド・トランプ氏が再び米国大統領の座に就いたことで、世界の貿易政策に大きな波紋が広がっています。特に注目されているのが、復帰後に加速する“関税強化政策”です。この記事では、2025年7月24日時点の最新情報をもとに、関税政策の変化と日本企業への影響、そして今後の対応策について分かりやすく解説します。
✅ トランプ復帰後の関税政策【要点まとめ】
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米国の関税率は平均15.8%へ上昇(前政権比で約6倍)
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鋼鉄・アルミニウムには50%、自動車には25%の高関税
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2025年4月よりすべての国に対して10%の「相互関税」方針発表
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7月23日、日本と米国が自動車関税を25%→15%に引き下げる合意
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8月1日以降、国別に15〜50%の追加関税適用が開始予定
🇯🇵 日本への影響:自動車・EV部品から中古車まで
◉ 自動車産業:関税引き下げの恩恵
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米国政府は、日本製自動車への25%関税を維持していましたが、7月23日の二国間協定により15%へ引き下げ。
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日本政府は、米農産物の追加輸入・国内投資(5500億円規模)を見返りに約束。
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EV関連部品やエンジン部品も一部対象で、競争力回復のチャンスに。
◉ EV・工作機械・半導体製造装置:新たな関税リスク
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中国を経由した製品、または技術移転品には10〜15%の相互関税が適用見込み。
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輸出企業には、原産地証明の強化と米国内通関手続きの慎重な対応が求められる。
◉ 中古車・スクラップ:今のところ影響は軽微
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米国政府は再生資源・中古車については競合性が低いとして関税優遇対象に。
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ただし、書類不備や積地情報の不一致で“詳細審査”の対象になる事例が急増中。
🌍 米中・米EUとの貿易戦争再燃リスク
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EUや中国との交渉は難航しており、一部品目に30〜50%の追加関税が検討中。
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これにより、物流コストの上昇・供給網の混乱・通関遅延など実務上のリスクも。
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輸出企業は多国間FTAの活用や、輸出条件(FOB/CIF等)の見直しが必要不可欠。
📉 為替・金利・物価への影響
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米国の金利高止まりによるドル高・円安が進行中。
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日本の輸出企業にとってはプラス要素だが、物流コスト(船賃・燃料)増が懸念材料。
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米国内ではインフレ再燃の兆しもあり、“関税=間接的な物価上昇”との批判も。
✅ 今すぐ日本企業がとるべき対応
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原産地証明書(EPA/FTA)の徹底管理
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インボイス・BL・契約条件(Incoterms)の再点検
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米国内物流先の通関実績・対応力の確認
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関税情報の自動取得システムや通関業者との連携強化
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情報更新:JETRO・在米商工会などを定期的にチェック